2019年に発生した新型コロナウイルスはSARS-CoV-2で,元々のSARS-CoV/SARS-CoV-1と似ているからSARS-CoV-
2ということである.
2002年に発生したSevere Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群は終息したが,この時,感染防御のためのワクチンが作られている.
その動物実験でのワクチンの効果とワクチンを使った場合の経過についての報告がある.
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Immunization with SARS Coronavirus Vaccines Leads to Pulmonary Immunopathology on Challenge with the SARS Virus
サーズコロナウイルスのワクチンによる免疫は,サーズウイルス投与で肺の免疫病理学的変化を引き起こす.
SARS-コロナウイルスに対するワクチンは中和抗体を動物に誘導し,感染防御の状況を示したが,ワクチンを投与されたマウスはその後,
SARS-CoV成分に対する過敏症が誘発されたことを示唆するTh2型免疫病理所見を示した.
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私達はワクチンを前もって投与すれば,免疫が賦活され,コロナウイルスの感染から免れ得ると考えている.ところが,スパイクタンパクに対するワクチンであろうと,ウイルスを処理した不活化ワクチンであろうと,この抗原に2回目以降暴露されると,免疫の過剰反応が生じる可能性がある事を示している.
ワクチンによる免疫をしっかりした状態にするため,ワクチンは2回接種する.免疫が弱まる頃には,3回目の接種を行うべきである,というような事を良く耳にするが,危険な事かもしれない.
ワクチンによる免疫であろうと,実際の感染による免疫であろうと,SARS-コロナウイルスの抗原は,何らかの免疫学的過剰反応を生み出しやすい性質を持っているのかもしれない.
どういうことかというと,ワクチンを射って,その後にウイルスに感染あるいは暴露されることも,始めに感染して,2回目の感染あるいはウイルスへの暴露によっても,過剰免疫が発現する可能性があるということである.
ワクチンを射ったら,今後,世の中からSARS-コロナウイルスがなくなるのなら良いが,そうではない.SARS-CoV-2の変異株も次々に発生している.さらにはSARS-CoV-3やSARS-CoV-4が出てくるのかもしれない.この類いのウイルスに感染するたびに,過剰免疫状態に陥る人が出てくるとしたら,生き残ることが難しくなる.
SARS-コロナウイルスに暴露されるたびに,血小板減少性紫斑病や間質性肺炎などの慢性自己免疫疾患が発症する.
このような状態に陥らないようにするにはどうしたらよいのか.
さっさと治療薬を使うことである.感染初期に治療薬を投与し,免疫が頑張らなくても良いようにすることである.
私の考えは仮説であるが,SARS-CoV-2の感染防御をワクチンで行い,我々の個人の免疫力でウイルス感染を防ぐという考えは間違っているのかもしれない.自分の免疫力で戦えば戦うほど,慢性自己免疫疾患が発生しやすくなるのである.現在,その自己免疫疾患の元になる1回目と2回目の抗原への暴露をワクチンという形で多くの人に行っている.もし,この行為が間違いならば,ワクチンを複数回受けた時,その後,コロナウイルスに感染する度,重大な健康上の問題が生じることになる.