⑦ ワクチンを接種しても感染するし，人にも感染させる．
ワクチンの接種が始まった頃，まず唱えられていたことは
1．70％の人がワクチンを打ったら，集団免疫ができて，武漢コロナ肺炎は終息する．
2．ワクチンを打ったら感染しない．だからワクチンを打つべきである．
3．ワクチンを打ったら人に感染させない．大事な人のためにワクチンを打とう．
ところが，ワクチン接種が進んでいっても，感染者数は減らない，あるいは減っても再び増加する現象に遭遇し，以下の事を言うような人々が出てきた．
4．ワクチンを打たない人々の間で感染が続いている．
5．非ワクチン接種者が感染源になっている．
全て事実ではない．まず，政治家やワクチン推進者が大規模ワクチン接種を始めた前提である1．が事実とならなかった事は，今や明白である．では，2，3，4，5はどうであろうか．
科学雑誌ランセットの
Correspondencewww.thelancet.com Vol 398 November 20, 2021に以下が掲載されている．翻訳を付けておく．
COVID-19: stigmatising the unvaccinated is not justified
COVID-19：ワクチンを受けていない人に汚名を着せることは正当化されない
アメリカとドイツでは、高官がpandemic of the unvaccinated（ワクチン未接種者の大流行）という言葉を使い、COVID-19の疫学上、ワクチンを接種した人は関係ないと示唆しています。関係者がこの言葉を使ったことで、ある科学者は「COVID-19ではワクチンを受けた人をワクチンを受けていない人が脅かしている」と主張したかもしれない。しかし、この見方はあまりにも単純すぎる。
ワクチンを接種した人が引き続き感染に関連する役割を担っていることを示す証拠が増えています。
米国マサチューセッツ州では、2021年7月の様々なイベントで合計469件のCOVID-19の新規症例が検出され、そのうち346件（74％）が完全または一部ワクチン接種を受けた人で、274件（79％）が症状を呈していました。
サイクルの閾値は、完全にワクチンを接種した人（中央値22-8）と、ワクチンを接種していない人、完全にはワクチンを接種していない人、接種状況が不明な人（中央値21 -5）との間で同様に低く、完全にワクチンを接種した人でもウイルス量が多いことを示していました。 米国では、2021年4月30日までにワクチン接種を受けた人でCOVID-19の症例が合計10262例報告され、そのうち2725例（26-6％）が無症状、995例（9-7％）が入院、160例（1-6％）が死亡しました。
ドイツでは、60歳以上の患者におけるCOVID-19の症状のある症例の55～4％が完全にワクチンを接種した人であり、この割合は毎週増加しています。ドイツのミュンスターでは、完全にワクチンを接種した人、またはCOVID-19から回復した人で、ナイトクラブに通っていた380人のうち、少なくとも85人（22％）にCOVID-19の新たな症例が発生しました5。ワクチンを接種した人は、重症化するリスクは低いものの、パンデミックに関連する部分であることに変わりはありません。したがって、ワクチンを受けていない人たちのパンデミックを語るのは間違いであり、危険です。歴史的に見ても、アメリカとドイツは、肌の色や宗教を理由に国民の一部に汚名を着せることで、否定的な経験を生み出してきました。私は、高官や科学者に、私たちの患者、同僚、その他の市民を含むワクチン未接種者に対する不適切なスティグマ（社会的不名誉な烙印）をやめ、社会をひとつにまとめるためにさらなる努力をすることを求めます。競合する利害関係はないことを宣言します。
ギュンター・カンプ
「ワクチンを接種した人は、重症化するリスクは低いものの」と記載されています．現在巷で言われていることは，
6．ワクチンを接種しても感染するが，重症化しない．だからワクチンを接種すべき
という説明です．これまでゴールポストがずいぶん移動してきましたが，これも現在の所，ということで，前記1～5のように時間の経過と共に正しくない現実が追いかけてくるかもしれません．
