イスラエルでは，新型コロナウイルス感染の重症患者の95％が完全ワクチン接種済み 2021/8/5
オーストラリアのNSW州では，同じくICU入院患者全員がワクチン接種済み 2021/7/25
ワクチン接種が進んでいる2国の報道について，
BonaFidrの2021/8/7の記事である．
https://hitoritabi-kiroku.com/covid-19-data/ のサイトのデータを拝借して並べてみた．
多くの国で，死亡者数/感染者数（感染者の死亡割合）は減少してきているようにみえる．
データが揃っているイスラエルについて，
Vaccinations and COVID-19 – Data for Israelのデータを使って検討する．
イスラエルでもワクチン接種者数は頭打ちで，60％を越えたところで水平になってきている．
2021年4月1日で2回の接種済んだのは55.6％である．感染者数は4月1日には373人まで減少し，以後少なかったが，7月7日に371人になっている．この間，3ヶ月と1週間，感染者数が少なかった．
次に，入院者数，ICUに入った数，死亡者数をグラフで見ると，感染者数を追いかけるように変化している．そこで，4つのポイントで，感染者数，入院者数，ICU収容数，死亡者数を比較すると，死亡者数/感染者数，死亡者数/入院数は共に減少している．治療が良くなった可能性もあるが，経時的に死亡率は低下している．
感染者再増加でどこも大騒ぎの様子であるが，イスラエルの数字が示している結果では，コロナウイルスは弱毒化していると思われる．少なくとも，強毒化しているようには見えない．
ワクチンを接種した人が感染し，重症化していると報道されているが，日本でも感染者のワクチン接種の有無と時期を調査すべきである．
日本のワクチン2回接種者は8/5で32.5％である．普通に考えれば，発症者や入院や重症者に占めるワクチン2回接種済みの患者割合が国内のワクチン2回接種済みの割合を超えるようならば，ワクチンを接種した人が重症化すると考えるのが妥当である．実際，イスラエルやイギリスではそのような事が生じている，と報道されているのである．この理由を，ワクチンが効かなくなったから，と判断するのはおかしい．ワクチンが効かなくなったら，ワクチン非接種者とワクチン接種者は同じ割合で感染するはずである．ところが，ワクチン接種者の方がより多く感染し，重症化している，とイスラエルやオーストラリアで報道されているのである．
今後，ワクチン非接種者の間では，コロナウイルス感染は，インフルエンザのようになっていくと思われる．一方，，特に複数回のワクチン接種を受けた人は，感染の可能性が増えるかもしれない．イスラエルで2回の接種済み割合が55.6％になった2021/4/1から，2021/4/1の感染者数と同じくらいの感染者数になるまでの期間は3ヶ月と1週間であった．日本でもこれに相応する期間が経過すれば，ワクチン接種者の感染者数が増加してくる可能性がある．
たぶん，秋から，この冬の頃と考えられる．気をつけていただきたい．
