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SARS-CoV-2 BA.2変異型のウイルス学的特性について (ワクチンは効果がない)

Virological characteristics of SARS-CoV-2 BA.2 variant
SARS-CoV-2 BA.2変異型のウイルス学的特性について
という研究結果が示されています.
東京大学、神戸大学、熊本大学、北海道大学、京都大学などの日本人研究者とイスラエルのワイツマン科学研究所,エジプトのスエズ運河大学の研究者によるものです.2022/2/15に発表されています.

簡単にいうと,オミクロン株BA2には,既存のワクチンや以前のオミクロン株感染により誘導される抗体が効かない,ということである.

概要

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の新しいオミクロン系統であるBA.1が出現し世界的に広がった後、別のオミクロン系統であるBA.2がBA.1と競合するようになりつつある。統計解析の結果、BA.2の有効繁殖数はBA.1の1.4倍であることが判明した。中和実験の結果、BA.2に対しては、BA.1と同様にワクチンによる体液性免疫が機能せず、特にBA.2の抗原性はBA.1と異なっていることがわかった。細胞培養実験では、BA.2はBA.1よりもヒト鼻腔上皮細胞でより複製性が高く、より融合性が高いことが示されました。さらに、ハムスターを用いた感染実験では、BA.2はBA.1よりも病原性が高いことが示された。私たちのマルチスケール研究により、BA.2が世界の健康に及ぼすリスクは、BA.1よりも高い可能性があることが示唆されました。

BA.2の免疫抵抗性
BA.2の配列、特にSタンパク質はBA.1と大きく異なるため(図1b、図2a)、免疫抵抗性や病原性などのウイルス学的特性はBA.1とは異なると考えるのが妥当であろう。そこで、BA.2のウイルス学的特性を明らかにするために、疑似ウイルスとワクチン接種によって誘導される中和抗体を用いた中和試験を行うことにした。BA.1は、最近の研究と同様に、mRNA-1273およびChAdOx1ワクチンによって誘導される抗血清に対して高い抵抗性を示した(図2b,c)。BA.1と同様に、BA.2もワクチンで誘発された抗血清に対して高い抵抗性を示した(図2b,c)。また、BA.2は、祖先のD614Gを持つB.1.1ウイルスと比較すると、2つの治療用モノクローナル抗体、カシリビマブとイムデビマブにほぼ完全に耐性であり、別の治療用抗体、ソトロビマブに35倍以上の耐性を持っていた(Fig. 2d)。さらに、BA.1、BA.2ともに、パンデミック初期(2020年5月以前:図2e)、α(拡張データ図3a)、Δ(拡張データ図3b)に感染した回復期血清に対して高い耐性を示した。これらのデータは、BA.1と同様に、BA.2もワクチン接種や他のSARS-CoV-2亜種の感染によって誘導された抗血清、および3つの抗ウイルス剤に対して高い抵抗性を持つことを示唆している。

治療用抗体
次に、BA.1に感染した17人の血清について、完全接種(2回接種)した回復者13人、1回接種の回復者1人、未接種の回復者3人の血清を検査した。BA.1感染回復者の血清は、BA.1に対して最も強い抗ウイルス効果を示した(図2f)。BA.2はBA.1感染血清に対して1.4倍の耐性を示したが、統計的な差はなかった(図2f;Wilcoxon signed-rank testによるP=0.091)。重要なことは、完全なワクチン接種を受けたBA.1回復期の血清は、ワクチン未接種または1回接種の回復期患者よりも、試験したすべての変種に対して有意に強い抗ウイルス効果を示したことである(Extended Data 図3c)。
BA.1による体液性免疫がBA.2に対して効果が低い可能性に対処するため、感染後16日目(d.p.i.)の感染ハムスターから得た回復期の血清を使用した。ヒトの回復期血清の結果(図2eおよび拡張データ図2b)と同様に、BA.1およびBA.2ともにB.1.1およびDelta感染ハムスター回復期血清に対して顕著な抵抗性を示した(図2gおよび拡張データ図3d)。興味深いことに、BA.2はBA.1感染回復期ハムスター血清に対してBA.1よりも有意に(2.9倍)高い耐性を示した(Fig. 2g)。BA.1の誘導免疫に対するBA.2の抵抗性をさらに確認するために、祖先のB.1.1とBA.1のSタンパク質を発現する細胞でマウスを免疫し、ネズミの抗血清を入手した。ここでもマウス血清を用いた中和アッセイにより、BA.2はBA.1のSを免疫した血清に対してBA.1よりも有意に(6.4倍)抵抗性を示すことがわかった(図2h)。これらのことから、BA.1による体液性免疫は、BA.2に対して効果が低いことが示唆された。

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