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この時代を生きていく上で,よく分からないことを,少しでも理解できるように努めていきたい.時間をかけて,このブログを書いている理由は愛する人達が気づき,生き延びてくれるように願うからである.

国の借金、6月末で1255兆円 1人あたり初の1千万円超 は良いことでしょ.

財務省が2022年8月10日,国債と借入金、政府短期証券を合計したいわゆる「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円だったと発表した。

日経新聞を始め,多くのメディアが,歳出の増加が税収の伸びを上回り,大変だー,破綻するー,といった調子の記事を出している.困ったことである.
困ったことは,国の借金が増えたことではない.あたかも,政府の国債と借入金、政府短期証券の金額増加が悪いことのように報道する,そのことが困ったことなのである.

日本政府の国債発行は,円建てである.日本政府は,円建ての国債を発行し,その国債は日銀券,つまりお金になって,国民や日本の会社に支払われるのである.これは通貨供給量になるのである.日本円はアメリカや中国では流通しておらず,また,国内に流通しているのは円のみである.政府が借金をするほどに日銀券が国内に流れ,国民のもとに届くのである.
日経新聞も「国民1人あたりで約1005万円の借金になった。」と書いているが,大間違いで,国民が1人あたり約1005万円の資産を持つようになったということである.複式簿記では,誰かの借金(債務)は誰かの債権となる.国が借金をすることは,国民が資産を持つことに等しい.

プライマリーバランスの黒字化を財務省が唱え,政治家が実行すると,政府が毎年黒字になるわけであるから,国民の持つお金が毎年減少していくことになる.日本円は政府しか発行できないから,国民の資産は確実に減少していくことになる.プライマリーバランスの黒字化が達成されると言うことは貨幣流通量が減少し,国民が貧しくなる,ということである.通貨が減少し,物に対して通貨が足らない状況でデフレが進み,物価下落以上のスピードで給与が減少する.
だから,プライマリーバランスの黒字化を達成してはいけないのである.

明治以来,政府は借金を重ね,設備を整え,経済規模が大きくなることで,日本は発展してきた.田中角栄が居たころ,公共事業を行い,日本列島改造を謳い,その後,バブル期が到来する.バルブの時,消費税もなかったが,経済規模が大きくなることで税収は増加し,政府の財政は黒字になったのである.
国の借金は,常に後の時代に財政規模が大きくなることで,前の時代の借金が相対的に小さくなることを持ってファイナンスされてきたのである.

景気が過熱しすぎて過度なインフレにならない限り,政府の財政赤字がある程度存在しないと,国の経済は拡大しない.

日本は経常黒字国であり,外国に借金をしていないし,日本国債は円建てであるから,日本国がデフォルトに陥ることはない.それなのに財務省は,国の借金で破綻すると国民を騙している.よく言われる嘘に,「国の財政赤字(国債)が日本国民の資産を越えて,財政破綻する」というのがあるが,国債発行額は通貨になり,国民の金融資産になるのだから,国の借金が国民の資産を上回ることはない.仮にそんなことが起きても,日銀が買い取ってしまえば,国債を日銀券(お金)に変換することになり,通貨が民間に流れ,国民が豊かになるのである.
そんな事をすればハイパーインフレになるという経済学者のフリをした人がいるが,商品(物資)が潤沢にある限り,ハイパーインフレは来ない.余ったお金は,常に株式,それから不動産へ流れる.
第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレも,大東亜戦争後敗戦後の日本のインフレも,国土が荒廃して,生産設備がなくなったこと,大量の復員兵が帰国して,物資が足りなくなったことにより発生している.だからハイパーインフレを持ち出して騒ぐ人は,経済が分かっておらず,似非経済学者であると思われる.

日経新聞が「国民1人あたりで約1005万円の借金になった。20年前の03年度は550万円で、1人あたりでみると2倍弱に増えた。」と書いているが,20年も経てば,財政規模は2倍以上になっているから,それで当たり前である.2000年以降の日本は緊縮財政を続けているから,財政規模が拡大しにくくなっているのが問題なのである.明治から平成の歳入、歳出の年間推移が,https://www.petitmonte.com/politics_economy_life/revenue_and_expenditure.htmlにあるので確認したらよい.経済規模が大きくなれば,借金も資産も大きくなっていくのである.日本国の資産は計算に入れず,借金の方だけをみて大きくなったと論を張るのは理論的ではない.

新聞は,「国債と借入金、政府短期証券を合計したいわゆる『国の借金』が6月末時点で1255兆1932億円だった」ではなく,「『国民の金融資産』が1255兆1932億円になりました.20年前に比べて,国民1人当りの資産は550万円から1005万円となりましたが,20年間の資産の伸びとしては,もう少し多くても良い.政府はもっと思い切り建設国債を使って,道路や橋や新幹線,リニア新幹線などに投資して欲しいところです.」と書くべきである.

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