このブログは,コロナウイルスとコロナワクチンについての情報発信のために始めたものであったが,そろそろ他の話題も取り上げてみたい.
最近では,AIロボットが人々の仕事を奪うという恐怖が人々の中に生まれている.
過去に科学テクノロジーは,人や家畜の筋力を代替する仕組みを作ってきたが,いよいよそれが人間の頭脳にまで及んできた.これで人間の存在価値が激しく縮小してしまった,という恐怖である.
イーロン・マスクは,AI(人工知能)の進歩により「高度な医療処置—おそらく人間にはできないこと」をAIロボットが行うようになると言っている.
これを効くと,もう,外科医さえもオワコンの時代が来る,と人々は考える.
しかし,「技術的には可能でも、社会全体に普及させる(コモディティ化する)のは非常に難しいのではないか」と考える.
現在の脳外科の手術で,ロボットが行っているのは,定位脳手術的に穿刺針や鉗子を腫瘍に刺入することぐらいである.それに比べて,開頭術による手術は,皮膚を切るところから始まり,術前検査で分からなかった脳や血管の状態を確認し,手術の核心部分では,秒単位で変化する様々な局面への対応が必要になる.手術の最後には術後出血の可能性がある部分を予測的に処置して硬膜を閉じ,骨を戻し,皮膚を縫合して手術は終了となる.AIとヒューマノイドが進歩すればいつか可能になるときがくるとは考えられるが,その時に必要になる計算量が莫大になると予想される.
将棋では,既にAIの方が人間を凌駕しているが,手術では,将棋の盤面が9X9とは限らず,盤面が正方形とは限らず,駒の種類と数が,勝負の途中に変化するような状況である.
「仮に6時間の手術中、ロボットが1秒間に100回(視覚・触覚のフィードバックループ)の判断を行うと、1回の手術で「2,160,000回」もの高度なAI推論が必要」である.
限られた時間内に最適と思われる判断とマニピュレータの操作をするための計算を満たすとすれば,たまに研究的に手術を成功させることができても,普及的に社会で利用できる状況になるのは難しい.
人間が行うレベルの技術を確保するためには,AIの演算量は途方もなく大きくなり,手術に臨む前の必要情報量は大きく,それを確保するための検査とその解析のための費用は,人間の医師が手術するためのコストを大きく上回ってしまう可能性が高い.当分,コストと効果を人間の手術レベルに見合う程度に抑えることが非常に難しいと予想される.簡単に言うと,「人間医師が手術すれば,130万円,AIロボットの手術は1600万円です.人間医師の手術は明日行われます.AIロボット手術は来月になります.」という感じになりそうだ.
このような事を,AIに投げかけて,AIとヒューマノイドの普及時期を予測してもらうと,次のように答えてくれた.
完全な「術者の交代」には50年以上かかりますが、そこに至るまでには以下のような段階を踏むと考えられます。
2030年代(あと10年): 「賢い自律ナビゲーター」
2040年代〜2050年代(あと20〜30年): 「部分タスクの完全自動化」
2070年代以降(あと50年以降): 「完全自律型AI外科医の誕生」